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2021年9月

2021年9月19日 (日)

アストル・ピアソラ・コレクション紹介/ディスクリート4チャンネル再生のその後

いろいろ書かねばならないことはあるのだが、クール・ファイブの連載だけでなく、なかなか思うように更新ができない。年とともに集中力がなくなってきているのも関係しているだろうか。ともあれ、最近のことを少しまとめておこう。

8月25日にはソニーから「アストル・ピアソラ・コレクション」全10タイトルが1枚1,400円というお買い得価格でリリースされ、選盤と解説(西村秀人さんと分担)を担当した。

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フランスのヴォーグ原盤が1枚、ミラン原盤が2枚、残り7枚がアルゼンチンRCA原盤。日本初紹介の音源はないが、ピアソラ史を彩る重要作が目白押しである。以下はその内容。

  • 『シンフォニア・デ・タンゴ』(SICP 6391)

1955年のパリ留学時、弦楽オーケストラ編成で録音した初のオリジナル・アルバム(10インチ)。オリジナル・モノラル・マスターを使用しての単独CDは世界初。

  • 『ピアソラ、ピアソラを弾く』(SICP 6385)

1960年に結成されたキンテート(五重奏団)による初のアルバム。「アディオス・ノニーノ」の初録音収録。ヴァイオリンはシモン・バジュール。

  • 『ピアソラか否か?』(SICP 6386)

古典タンゴのシンプルなアレンジを中心にしたキンテートのセカンド・アルバム(リリースはこちらが先)。ヴァイオリンはエルビーノ・バルダーロ。ボーナス・トラックとして歌手ダニエル・リオロボスとの2曲、エクトル・デ・ローサスとの4曲も収録。

  • 『レジーナ劇場のアストル・ピアソラ1970』(SICP 6387)

アントニオ・アグリ(ヴァイオリン)、カチョ・ティラオ(ギター)などを擁した最強のキンテートによる歴史的ライヴ。《ブエノスアイレスの四季》全曲収録、ピアソラ史上最高傑作。ボーナス・トラックとして映画『魂と生命をもって』サントラ4曲収録。

  • 『五重奏のためのコンチェルト』(SICP 6388)

キンテート10周年を記念したタイトル曲ほかと、ピアソラの敬愛する音楽家/作品に捧げた貴重なバンドネオン・ソロ(1曲のみレオポルド・フェデリコらとの四重奏)の組み合わせによる名盤。ボーナス・トラックとしてバンドネオン多重録音1曲、師アニバル・トロイロとのバンドネオン・デュオ2曲収録。

  • 『ブエノスアイレス市の現代ポピュラー音楽 第一集』(SICP 6389) 
  • 『ブエノスアイレス市の現代ポピュラー音楽 第二集』(SICP 6390)

ピアソラ究極のアンサンブル、コンフント9(ヌエベ)による傑作2タイトル。ピアノは第一集(1971年12月録音)がオスバルド・マンシ、第二集(1972年7月録音)がオスバルド・タランティーノ。第二集にはボーナス・トラック3曲収録。

  • 『天使の死~オデオン劇場1973~』(SICP 6392)

コンフント9解散後の1973年、オスバルド・タランティーノを擁したキンテートが残した貴重かつ壮絶なライヴ音源(1997年にミランからCD化)。実はブエノスアイレスのオデオン劇場での録音ではなかった? 真相は解説に。

  • 『ピアソラ=ゴジェネチェ・ライヴ1982』(SICP 6393)

イタリアでのエレクトリック・ピアソラ期を経て再結成されたキンテートによる1982年のライヴ。唯一無二のタンゴ歌手、ロベルト・ゴジェネチェとの貴重な共演を含む。ボーナス・トラックとしてピアソラ=ゴジェネチェ1969年のスタジオ録音「ロコへのバラード」他3曲収録。

  • 『バンドネオン・シンフォニコ~アストル・ピアソラ・ラスト・コンサート』(SICP 6394)

パリで脳梗塞に倒れる1か月前、生涯最後のコンサートは奇跡的に録音されていた! ギリシャの名匠マノス・ハジダキス、アテネ・カラーズ・オーケストラとの共演によるシンフォニー。

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9月に入り、ジャンルは全く異なるが、かつて親しくさせていただいたお二方の訃報が舞い込んでしまった。まずは日本を代表する名タンゴ歌手で、レコード・プロデューサーでもあった阿保郁夫さん。両面で素晴らしい実績を遺されたが、私のピアソラに関する執筆や復刻を褒めてくださったのも懐かしい想い出だ。もう一人は、吉野大作&プロスティテュートなどのベーシストで、水すましというバンドでは実際にご一緒されていただいた高橋ヨーカイさん。一時死亡説が流れ、心配はしていたのだが、何とも寂しい。

さて、今日書かねばと思ったのは、4月15日にアップした「新たな機材の導入でノイズのないディスクリート4チャンネル・レコードの再生が実現」の続きである。最後の方で

MC-3 Turboは出力電圧3.3mVの高出力MCカートリッジだから、ディモジュレーターのMM入力端子に直接繋ぐのが適切な接続方法なのだろうが、いろいろ試していて、繋ぎ換えが面倒だったのでヘッドアンプを挟んだ状態のままで鳴らしてみたら、何とこれがベストだった。

と書いたが、これが正しいやり方ではなかったことに気付いたので、私のやり方を参考にしている方はよもやいらっしゃらないとは思うが、訂正しておく必要を感じたというわけだ。

シバタ針やラインコンタクト針を持ったカートリッジでディスクリート4チャンネル(CD-4)再生をする際は、カートリッジごとにCD-4ディモジュレーターのセパレーション調整をしなければならない。それはわかっていたのだが、MC-3 Turboをヘッドアップなしで直接接続した状態でセパレーション調整したまま、ヘッドアンプ経由で聴いていたのが問題だった。どうも前後のセパレーションが十分ではないような感じは受けていたのだが、8月の終わりに入手した”CD-4 Quadraphonic Experience” (WEA 228 008 (F))というドイツ盤オムニバスに含まれている、4か国語によるアナウンスなどを含むデモンストレーション・トラックを再生していて、定位がけっこうメチャクチャになっていたのに気付いた。

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早速セパレーション調整を行ったが、左右ともレベルをいっぱいまで下げても合わせ切らない感じになってしまった。30KHzのキャリア信号を拾って点灯するインジケーターも時々弱くなったり消えたりする。これはAT33PTG/II→ヘッドアンプでも同様だった。MCカートリッジをディモジュレーターのMM入力に入れる際にヘッドアンプや昇圧トランスを通すと、どうもキャリア信号の読み取りに支障が出やすいようだ。やはりCD-4再生にはMMカートリッジか高出力MCカートリッジということになるのか。ということで、MC-3 Turboからはヘッドアンプを通さず、直接CD4-10改造機に送ることにした。これでひとまず解決。

MC-3 Turboと「CD4-392」ICチップを搭載したCD4-10改造機の組み合わせにしてから、CD-4盤特有のノイズに悩まされることはほぼなくなったが、それでも針先や盤の汚れにはすこぶる敏感であることに変わりはない。盤のクリーニングにはVPIのバキュームクリーナーとオヤッグのレコードクリーナー液の組み合わせ、針先の汚れにはDS AudioのST-50が欠かせない。

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