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2012年3月

2012年3月29日 (木)

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(5)

前々回ご紹介したアルバム・リストのように、ザ・フォー・シーズンズ及びフランキー・ヴァリが華々しく活躍していた1960年代、彼らのレコードは、ルーレット傘下のゴーンから出たファースト・シングルを除き、初期はヴィー・ジェイから、その後はフィリップスからリリースされていた。ヴィー・ジェイの音源は後にフィリップスからの編集盤にも含まれるようになったし、これも紹介したように、クリスマス・アルバムの[2]はアルバムごとフィリップスから再発された。

それでは、彼らの当時の録音は現在、フィリップス音源の権利を持つユニバーサルから出ているか、というと、これがまったく違うのである。彼らが劇的な復活を遂げた1970年代半ばですら、違っていた。彼らのヴィー・ジェイ~フィリップス時代のヒット曲を収めた2枚組"The Four Seasons Story"は1975年の暮れ、ヴァリが当時ソロで契約していたプライヴェート・ストックから出たのである(日本では東芝EMIから)。ちなみに当時、グループの方はワーナー/カーブと契約していた。

つまり、ヴァリとゴーディオは自分たちの過去の音源を、レコード会社ではなく自分たちで管理できる状態にしているのだ。1980年代以降、彼らの音源は実に様々なレーベルからCD化されている。すべてを確認したわけではないが、いずれも二人が経営するThe Four Seasons Partnershipからのライセンスを受けてのリリースという形を取っているはずだ。ただし、モーウェスト~モータウン時代の音源だけは例外で、これは現在もユニバーサルの管理下にある。

彼らのオリジナル・アルバムのCD復刻状況を、主な発売レーベルごとにまとめてみる。[ ]で囲った番号は前々回のアルバム・リストのもの。なお、クリスマス・アルバムは便宜的に[2]としてあるが、いずれもフィリップスからの再発盤のタイトル及びジャケット・デザインを踏襲している。

BR Music(オランダ) 1988年6月
[01] [02] [20] [23]
オリジナル・アルバムのCD化としては最も早いもの。[20]にはボーナス・トラック2曲(リミックス)も収録。

Rhino 1988年7月
[02] [09] [11] [15]
再発レーベルの老舗で、現在も彼らの音源のリリースを続けているライノからの発売。前年にLPで出ていた[02]以外の3タイトルは、LPでも同時発売された。

Curb(日本) 1991年9月~1992年2月
[01] [02] [03] [04] [06] [27] [28]
BMGビクター(当時)がカーブの権利を獲得したことで、ヴィー・ジェイ時代と1980年代がまとまったが、肝心のフィリップス時代は[06]を除いて編集盤でお茶を濁すことに。ちなみに[27]はこれ以前にもBRミュージックやカーブからもベスト盤風の体裁で出ていた模様。カーブの権利は1993年春にアルファに移り、時期外れだった[02]以外は再発された。

Ace(イギリス) 1994年4月~1996年10月
[01]+[03](+2) (CDCHD 507)
[02]+[05] (CDCHD 615)
[04]+[10] (CDCHD 596)
[06]+[07] (CDCHD 554)
[08]+[11](+3) (CDCHD 582)
[09]+[12](+2) (CDCHD 620)
[13]+[14](+3) (CDCHD 538)
[15](+4) (CDCHD 628)
[16](+6) (CDCHD 635)
2 in 1を主体にした、英国のエースからの強力なリリース群。(+x)で表示したのはボーナス・トラック。シングル・オンリーの数曲(概ねライノの編集盤などでCD化済み)の漏れはあるものの、ヴァリのソロを含む、ヴィー・ジェイ~フィリップスの全アルバムが復刻された。決定版的内容と言えるが、契約の関係か早い時期に廃盤になってしまったようだ。

Curb 1995年2月
[01] [03] [04] [06] [07] [11] [12] [20]
ワーナー配給~MCA配給~独自配給と歩んできたカーブは、1970年代中期以降のフォー・シーズンズにとって本家と言えるレーベルだが、ORIGINAL CLASSIC HITSと銘打たれたこのシリーズは、まったく感心しない。[07]では1曲、[11]では4曲、[12]では3曲もの差し替えが行われ、オリジナル・アルバムとしての体裁を大きく損ねている。収録時間に余裕があるのだから、ボーナス・トラックとして付け加えれば済む話なのに、せっかくの収録曲を外し、ベスト盤でいつでも聴けるシングル曲に差し替えるなど、とても理解できない。

Collectors' Choice Music 2006年12月
"FOLK-NANNY"+[05] (CCM-738)
[08]+[10] (CCM-739)
[11]+[15] (CCM-740)
[16]+[23] (CCM-741)
[27] (CCM-744)
[28]+[29] (CCM-743)
再発レーベルのコレクターズ・チョイス・ミュージックからの2 in 1のシリーズで、収録時間の関係から2枚組のものもあるが、ボーナス・トラックは一切なし。せっかく『ジャージー・ボーイズ』で再評価の機運が高まった時期のリリースなのに、ラインナップは何とも中途半端で、アルバム同士の組み合わせも熟考されたとはとても言えない。"FOLK-NANNY"というのは、1964年5月にヴィー・ジェイからリリースされた編集盤。

Collectors' Choice Music 2008年4月
[13]+[14] (CCM-927)
[18]+[22] (CCM-928)
[21]+[24] (CCM-929)
[25]+[26] (CCM-930)
コレクターズ・チョイスからの第2弾で、1970年代以降のヴァリのソロ6作がようやくCD化された。こちらもボーナス・トラックは一切なし。なお、コレクターズ・チョイスは既に閉鎖されてしまったようで、早くも廃盤のようだ。
(3月30日追記:コレクターズ・チョイス自体は活動を続けているようだが、彼らのカタログに関しては販売を終了してしまったようなので、訂正しておく)

Hip-O Select/Motown 2008年5月
[17]+[19](+9) "THE MOTOWN YEARS" (B0010777-02)
モータウンなどの音源の復刻を精力的に行っているヒッポ・セレクトによる、モーウェスト~モータウン時代の録音の集大成。『ジャージー・ボーイズ』以後の復刻で最も価値のあるものが、ヴァリとゴーディオの管理の及ばないところで行われたというのは何とも皮肉。

こうしてまとめてみると、彼らの再評価を阻む原因の一端が見えてくる。聴かれるべきものが容易に聴ける状態になければ、評価のしようもないのだから。

(続く)

Comments

鳩サブローさん、こんばんは。

仰る通り、簡単にCDが手に入らない状態では再評価は難しいですね。
特にアルバムごとの評価はできませんし。

僕が90年代に買ったCDには、リストに無い会社からのものもあります。
廉価レーベル(?)のDISKY(オランダ)です。
[03][07]が出てました(たぶん[01]も)。

わざわざプラスチックケースを収納する紙箱に、CDがプラケースごと収められています。

買った時は箱の中にCD以外に何が入っているのか?と期待したのですが、開けてがっかりでした。

4seasons以外にも何枚か出てた記憶があります。

Posted by: JD | April 04, 2012 at 01:11 AM

JDさん、
DISKY盤の情報ありがとうございます。

確認しましたところ、1994年から95年にかけて[01] [02] [03] [06] [07] [13]の7タイトルに、他のアルバムからそれぞれ何曲かをボーナス・トラックとして追加する形で出ていたようですね([02]は追加なし)。

Posted by: さいとう | April 04, 2012 at 11:55 PM

2012年3月25日 (日)

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(4)

1971年、渡英したザ・フォー・シーズンズはイギリスのワーナー・ブラザーズとのワン・ショット契約でシングル"Whatever You Say / Sleeping Man"(Warner Bros. K 16107)をリリース。そして1972年にはモータウン傘下のモーウェストから、フランキーのソロ名義の曲も含む[17](前回掲載したアルバム・リストの通し番号。以下同)をリリースするがまったくの不発に終わる。

その後モーウェスト~モータウンからリリースされたソロ/グループ名義の何枚かのシングルも売れなかったが、1974年、ソロでモータウンに録音していた「瞳の面影 My Eyes Adores You」をフランキー自身が買い取り、プライヴェート・ストックからリリースしたところ、ソロで初の全米No.1ヒットを記録(数多くのカヴァーを生んだ1967年の「君の瞳に恋してる Can't Take My Eyes Off You」は2位止まりだった)。モータウンからの[19]は、このヒットにあやかって、お蔵入りしていた録音やシングル曲などを編集したものだ。

ここから新たな黄金時代が始まる。度重なるメンバー・チェンジを経て、フランキー、ジェリー・ポーチ Gerry Polci (ドラムス、ヴォーカル)、ドン・シコーニ Don Ciccone (ギター、ベース、ヴォーカル)、リー・シャピロ Lee Shapiro (キーボード)、ジョン・パイヴァ John Paiva (ギター)という5人組に落ち着いたグループの方でも、1975年に「愛はまぼろし Who Loves You」「1963年12月(あのすばらしき夜)」の連続ヒットを飛ばす。

ボブ・ゴーディオはすでに1970年代初めにはグループのフロントからは退き、作曲、レコーディングの際のキーボード、プロデュース(フランキーのソロ含む)と、裏方としてそれまで以上に力を発揮するようになっていた。

フランキーのソロ活動も順調で、コンスタントにアルバムをリリース。そのため、フランキーとボブ・ゴーディオは、ソロとグループを完全に切り離そうと考えた。実際、[23]にはフランキーが参加していない曲もある。だがフランキーが抜けたことで、残されたメンバーでの活動はすぐに行き詰ってしまう。

新たなメンバーで活動を再開したフランキー・ヴァリとフォー・シーズンズの1980年7月のコンサートは録音され、初のライヴ盤[27]となった(新曲2曲は明らかにスタジオ録音だが)。

以後アルバムのリリースは散発的になる。[28]と[29]はそれぞれ、ボブ・ゴーディオを中心に、デジタル・テクノロジーやスタジオ・ミュージシャンらを駆使して仕上げたもの。
等身大のフランキー・ヴァリの“今”を伝える[30]も、ゴーディオとチャールズ・カレロがしっかりと脇を固めている。

一方、自分たちのヒット曲の数々やオールディーズ・ナンバーなどを楽しく聴かせるライヴ活動は継続しており、1982年のシカゴでの結成20周年コンサートや1992年のアトランティック・シティーでのライヴは海外でDVD化されている。ステージでの音楽監督は1980年代以降現在に至るまで、キーボードのロビー・ロビンソン Robby Robinson が主に担当している。

比較的最近のステージとしては、2008年11月2日の『トリビュート・オン・アイス』の模様をこちらで観ることができる。これはアイス・ショーとのコラボレーションで、元オリンピック選手で指導者としても活躍中の佐藤有香さんも登場する。

過去のフォー・シーズンズは歌える演奏家たちの集団だったが、ここではフランキーの後ろにヴォーカリスト4人が並び、バック・バンドは演奏に徹している。このスタイルは『ジャージー・ボーイズ』の影響だろうか。

今年の2月12日、BS-TBSの『SONG TO SOUL~永遠の1曲』という番組で「君の瞳に恋してる」が取り上げられた。そこではフランキー・ヴァリやボブ・ゴーディオの最新インタヴューなどのほか、最近のステージの映像も少しだが流れ、健在振りを伝えていた。

フランキーはこの5月3日で78歳になる。85歳のトニー・ベネットも頑張っているくらいからまだ大丈夫だろうが(関係ないか)、元気なうちに一度生で観てみたいものだ。来日の可能性はありそうもないのだが。

(続く)

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(3)

ザ・フォー・シーズンズ/フランキー・ヴァリはシングル・ヒット中心のアーティストとも言えるのだが、オリジナル・アルバム未収録のシングルなどは後で整理するとして、まずオリジナル・アルバム(厳密に言えばオリジナルと言い切れないものも2~3あるが)を列挙する。

レコード番号が二つあるのは前者がモノラル、後者がステレオ。レコード番号のあとは発売月/年、#の数字はビルボード・アルバム・チャート最高位。リリース形態は[28]までがLP、[29]と[30]はCD。

[01] SHERRY AND 11 OTHERS
(Vee Jay  LP 1053/SR 1053) 09/1962  #6
[02] THE 4 SEASONS GREETINGS
(Vee Jay  LP 1055/SR 1055) 12/1962  #13
[03] BIG GIRLS DON'T CRY AND TWELVE OTHERS
(Vee Jay  LP 1056/SR 1056) 02/1963  #8
[04] AIN'T THAT A SHAME AND 11 OTHERS
(Vee Jay  LP 1059/SR 1059) 06/1963  #47
[05] BORN TO WANDER
(Philips  PHM 200-129/PHS 600-129) 02/1964  #84
[06] DAWN (GO AWAY) & 11 OTHER GREAT SONGS
(Philips  PHM 200-124/PHS 600-124) 03/1964  #6
[07] RAG DOLL
(Philips  PHM 200-146/PHS 600-146) 07/1964  #7
[08] THE 4 SEASONS ENTERTAIN YOU
(Philips  PHM 200-164/PHS 600-164) 03/1965  #77
[09] SING BIG HITS BY BURT BACHARACH/HAL DAVID/BOB DYLAN
(Philips  PHM 200-193/PHS 600-193) 11/1965  #106
[10] RECORDED LIVE ON STAGE
(Vee Jay  VJLP 1154/VJS 1154) 11/1965
[11] WORKING MY WAY BACK TO YOU
(Philips  PHM 200-201/PHS 600-201) 01/1966  #50
[12] NEW GOLD HITS
(Philips  PHM 200-243/PHS 600-243) 05/1967  #37
[13] FRANKIE VALLI - SOLO (Frankie Valli)
(Philips  PHM 200-247/PHS 600-247) 06/1967  #34
[14] TIMELESS (Frankie Valli)
(Philips  PHS 600-274) 06/1968  #176
[15] GENUINE IMITATION LIFE GAZETTE
(Philips  PHS 600-290) 01/1969  #85
[16] HALF AND HALF (Frankie Valli / The 4 Seasons)
(Philips  PHS 600-341) 04/1970  #190
[17] CHAMELEON (Frankie Valli / The Four Seasons)
(Mowest  MW 108L) 05/1972
[18] CLOSE UP (Frankie Valli)
(Private Stock  PS 2000) 02/1975  #51
[19] INSIDE YOU (Frankie Valli)
(Motown  M6-852S1) 09/1975  #203
[20] WHO LOVES YOU
(Warner Bros./Curb  BS 2900) 11/1975  #38
[21] OUR DAY WILL COME (Frankie Valli)
(Private Stock  PS 2006) 11/1975  #107
[22] VALLI (Frankie Valli)
(Private Stock  PS 2017) 09/1976
[23] HELICON
(Warner Bros./Curb  BS 3016) 04/1977  #168
[24] LADY PUT THE LIGHT OUT (Frankie Valli)
(Private Stock  PS 7002) 11/1977
[25] VALLI IS THE WORD (Frankie Valli)
(Warner Bros./Curb  BS 3233) 08/1978  #160
[26] HEAVEN ABOVE ME (Frankie Valli)
(Curb/MCA  MCA 5134) 11/1980
[27] REUNITED LIVE (Frankie Valli / The 4 Seasons)
(Warner Bros./Curb  2WB 3497) 01/1981
[28] STREETFIGHTER (Frankie Valli and The Four Seasons)
(Curb/MCA  MCA 5632) 08/1985
[29] HOPE AND GLORY
(Curb  D2-77546) 09/1992
[30] ROMANCING THE '60s (Frankie Valli)
(Universal Motown  B0009908-02) 10/2007  #167

チャート・アクションで見る限り、大ヒット曲の収録は必ずしもアルバムのセールスに結びついていないことが判る。最後に全米第1位を記録した「グリース」を含む[25]がいい例だ。そう考えると、『ジャージー・ボーイズ』効果とはいえ、特にシングルを切らなかった[30]で29年ぶりのチャート・インを果たしたのは大健闘と言えるだろう。

リリース間隔を見ると、続けざまに出している時期と、ブランクの長い時期とにはっきり分かれているが、これは当然彼らの活動実績とリンクしている。

ザ・フォー・シーズンズのオリジナル・メンバーは、フランキー・ヴァリ(リード・ヴォーカル)、ボブ・ゴーディオ Bob Gaudio (キーボード、ヴォーカル、作曲、プロデュース)、トミー・デヴィート Tommy DeVito (ギター、ヴォーカル)、ニック・マーシ Nick Massi (ベース、ヴォーカル、ヴォーカル・アレンジメント)の4人。不思議なことに当時は、ドラマーを正式メンバーに迎えていなかった。

そして、彼らの音作りに欠かせない存在だった重要人物が、プロデューサーのボブ・クルー Bob Crewe とアレンジャーのチャールズ・カレロ Charles Calello である。

[2]はクリスマス・アルバムで、1966年11月にフィリップスから"THE 4 SEASONS' CHRISTMAS ALBUM" (Philips PHM 200-223/PHS 600-223)として再発されている。

彼らは[4]までヴィー・ジェイでリリースした後、フィリップスに移籍しているが、その後ヴィー・ジェイは過去の音源を使った様々な編集盤をリリース。1965年の[10]はタイトルに偽りありで、実際はスタジオ録音に観客の歓声をかぶせたものである。

ヴィー・ジェイ時代とフィリップス移籍後とで、プロダクションに大きな変化はない。最初の大きな変化は1965年、ニック・マーシが脱退し、新たにジョー・ロング Joe Long が加入してからだ。そしてグループ活動とコンセプトを分けたフランキー・ヴァリのソロ活動もスタートする(最初のソロ・シングルは1965年11月の「太陽はもう輝かない」)。

そして、傑作コンセプト・アルバム[15]を制作する一方でヒット・チャートからは遠のいていった彼らにとって、フィリップスとの契約が終わり、本来のリーダーだったトミー・デヴィートが脱退する1971年が大きなターニング・ポイントとなった。

(続く)

Comments

鳩サブローさん、こんばんは。

[02]は[03] の前年でしたね。
僕の記事も訂正しておかないと。

このリストを見ると[17]は全く知りません。
でも、(ヴァリのソロを除くと)持っていないのは数枚だとわかりました。

ところでそのヴァリのソロのベスト盤(1975年)を久しぶりに聴いたのですが、昔聴いた時よりもはるかに音が良くてびっくりしました。

90年代の終わりに聴いて以来だから10数年ぶりで、あの頃とは使っているプレーヤーとカートリッジが大きく変わって、今はつくづく良い音で聴けるようになったものだと実感しています。
もしかしたら1stソロもある程度の音質で聴けるかもしれないです。

そう言えば、オーディオの記事も読ませていただきましたが、プレーヤーは同じノッティンガムでしたね。

Posted by: JD | March 27, 2012 at 12:39 AM

JDさん、コメントありがとうございます。
[17]は全アルバムの中でもかなりの上位に来る内容だと思います。
JDさんもお持ちの"Jersey Beat"のDisc 3 (9)「The Night」がそこからの選曲です。
モーウェスト~モータウン時代の音源はCDにまとめられていますので、おいおい紹介しますね。

>そう言えば、オーディオの記事も読ませていただきましたが、プレーヤーは同じノッティンガムでしたね。

実はいろいろあって(話せば長くなるのですが)ノッティンガムの初代スペースデッキは去年手放しました。
現在は、我が家での稼動23年目のC.E.C.のST930Sが1台で頑張っています。
カートリッジはステレオがテクニカのAT33PTG/II、モノラルがやはりテクニカのAT-MONO3/LPです。

Posted by: さいとう | March 27, 2012 at 10:53 PM

2012年3月24日 (土)

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(2)

ザ・フォー・シーズンズ(フランキー・ヴァリのソロ含む)のディスコグラフィーについては、インターネットでもいくつかのものが確認できるが、とりわけ参考になったのは雑誌「レコード・コレクターズ」1992年3~4月号の特集記事である。

3月号では、目玉といえる大滝詠一×山下達郎対談のほか、1960年代半ばまでの歩みを萩原健太氏が、下積み時代を含む1953~65年のレコード(シングル中心)を澤山博之氏が、66年以降のレコード(アルバム中心)を平岡克朗氏が、フランキー・ヴァリのソロのレコードを島村文彦氏がそれぞれ紹介。澤山氏による米盤と日本盤のシングル盤/EPのリストも付いている。

4月号には、平岡氏によるメンバー名鑑(3月号で詳しく紹介済みのヴァリを除き、プロデューサーのボブ・クルーを含む11名を紹介)と、澤山氏による人脈図が掲載された。

どちらの号も第2特集ではあったが(だから表紙は飾っていない。第1特集はそれぞれエアロスミスとジミ・ヘンドリクス)、1992年という年に大きな記事が掲載されたのは、BMGビクター(当時)から八木誠氏監修による全10タイトルから成るCDシリーズがリリースされたからだった。オリジナル・アルバムは7タイトルで、そのうち5タイトルは世界初CD化だった。残りの3タイトルは日本編集盤である。

この記事以降、海外ではオリジナル・アルバムのCD化が進んだほか、各種編集盤やリミックス・アルバムなどもリリースされたが、新録アルバムとなると前回紹介した"Hope + Glory"(1992年)と"Romancing The '60s"(2007年)の2枚しかない。あとは映像が少し出たぐらいか。

国内ではその後、1999年にコロムビアから中途半端なベスト3種が出たのみ。あとは輸入盤に帯と解説を付けた国内仕様のものがヴィヴィド・サウンドやMSIなどから単発的に出ているだけである。これではさすがのレコード・コレクターズでも新たな記事の組みようもないだろうし(つまりは広告が取れないということだ)、輸入盤で出たものがアルバム・ガイドで完璧にフォローされているわけでもない。

ともあれ、彼らのオリジナル・アルバムを集めようと決意してから3年半の間に、すべてがオリジナル盤で(モノラルとステレオ併発時のものに関してはモノラル盤で)揃ってしまった。しかも、高いものでも2,000円台のお金しか払っていないし、新品同様のもので1,000円しないなんてものも少なくなかった。むしろ復刻CDの方がアマゾンのマーケット・プレイスあたりでは高い値段が付いていたりする(それも、丹念に探せば安く買えるものがほとんど)。再評価されていないとはこういうことなのかと、複雑な気持ちになったことも確かではある。

CDリリースの歴史と現状、問題点には後で触れていくことにして、次回からはオリジナル録音を整理していく。

2012年3月21日 (水)

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(1)

恒例の(苦笑)4か月ぶりの更新だが、今後は継続する予定。なぜなら続き物にすると決めたからだ。ずっと書きたいと思っていたフォー・シーズンズについての考察、今回はそのイントロダクション。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

強烈なファルセットを武器に素晴らしい歌声を聞かせるフランキー・ヴァリ(Frankie Valli)をメインにしたザ・フォー・シーズンズ(The 4 SeasonsもしくはThe Four Seasonsと表記)は、1960~70年代アメリカン・ポップスを代表するグループの一つで、おなじみの「シェリー」を筆頭にヒット曲も数多いが、特に日本では、その実績に見合った人気や評価を得ているとはとても言い難い。

同じようにアメリカン・ポップス史を彩り、ある意味永遠のライヴァルとも言えるザ・ビーチ・ボーイズの再評価ぶりとは、まるで比較にならない寂しさである。西のビーチ・ボーイズは今年結成50周年、現存メンバー(いちおう)全員による再集結とレコーディング、ワールド・ツアーで盛り上がっているが(私も大好きだし来日公演のチケットも確保したが)、東のフォー・シーズンズだって今年が50周年だ。

正確にいうと、長い下積みを経て、フォー・シーズンズとしての最初のシングル盤"Bermuda / Spanish Lace" (Gone 5122)がリリースされたのは1961年12月だが、マイナー・レーベルからの発売ゆえ、市場に出回るのは1962年に入ってからだった。この曲はヒットせず、シカゴのヴィー・ジェイに移籍しての"Sherry / I've Cried Before" (Vee Jay VJ456)がいきなり全米第1位となるのである。

だから50周年を大いに祝いたいところだが…。

近年も大きな話題がないというわけではない。彼らのサクセス・ストーリーを題材にしたミュージカル"Jersey Boys"(彼らはニュージャージーの出身だ)が2005年以来ブロードウェイでロングランを続け、トニー賞も獲得。全米各地やロンドン、カナダ、オーストラリアなども巡演し、すでに約1300万人を動員しているとのことだ。

特定の人気ミュージシャンやそのヒット曲の数々を題材にしたミュージカルは数多いが、『ジャージー・ボーイズ』はそれらの中でも例外的な大ヒットとなっている。私は観ていないが(観たとしてもセリフがほとんど理解できないだろうが…)、台本の秀逸さがロングランの要因の一つとなっているらしい。

そして、実物よりもイケメンな(失礼!)俳優たちの演技と歌も大きな魅力だろう。歌が上手くなければメンバー役は務まらないし、時期や場所ごとに交代するキャストの良し悪しについて、リピーターたちの意見交換もネット上で盛んだ。

ただしそうした要素はただちに、このミュージカルをそのまま日本など英語圏以外の地域へ持っていくことの難しさに繋がってしまう。映画化の話も進んでいるようなので期待したいところではあるが、どうだろうか。いずれにしても、『ジャージー・ボーイズ』が海外でいくら盛り上がっても、日本への影響はほとんどないに等しい。

というわけで、ヒットの余波もあり2007年には、彼らのキャリアをまとめたCD3枚とDVDのセット"Jersey Beat - The Music of Frankie Valli & The 4 Seasons" (Rhino R2 74852)が出たほか、1992年の"Hope + Glory" (Curb D2-77546)(Four Seasons名義)以来15年ぶりとなる新録アルバム"Romancing The '60s" (Universal Motown B0009908-02)(Frankie Valliのソロ名義)なども出たが、いずれも残念ながら日本発売は見送られたままだ。

私はというと、高校時代の1976年、久々の全米No.1ヒットとなった「1963年12月(あのすばらしき夜) December 1963 (Oh What A Night)」が好きになり、歴史のあるグループということも知ったが、アルバムを聴いたり時代をさかのぼったりするには至らず、そのまま長い年月が過ぎた。同曲は70年代のヒット曲を網羅した1998年の7枚組オムニバス"Have A Nice Decade - The '70s Pop Culture Box" (Rhino R2 72919)に入っていたので聴き直すことができたが、いつか彼らをきちんとまとめて聴いてみたいという思いは持っていた。

前述の3枚組+DVD "Jersey Beat"のことは雑誌「レコード・コレクターズ」2007年9月号の海外盤アルバム・ガイドで知ったのだが、実際に手に入れたのはそれから1年ぐらい経ってからだったと思う。聴いてみて、予想以上の素晴らしさに魅了された。

輝かしいヒット曲の数々も十分魅力的だったが、それにも増して驚かされたのが、1960年代前半から中期の黄金時代を過ぎ、セールス的に低迷期に入る60年代末から70年代初頭あたりにかけての楽曲群の音楽的な充実振りだった。

これはちゃんと聴かなければと、レコード収集の旅が始まった。

(続く)

Comments

鳩サブローさん、こんばんは。
設定変更していただいたようで、どうもありがとうございました。

>特に日本では、その実績に見合った人気や評価を得ているとはとても言い難い

本当に同感ですね。
僕もブログで4 seasonsを取り上げてからネットで検索したら、数人の方が同様の趣旨のことを書いていました。
60~70年代のRock/Popsに興味があって、まだ4 seasonsを聴いていないとしたら、ものすごくもったいないと言う気がします。

できればテレビCMでも、「Can't take my eyes off you」以外の曲も使って欲しいですね。
Marlena, Walk like a man, Let’s hang onなど、どれもCM向きだと思うのですが。

連載よろしくお願いします。
楽しみにしています。

Posted by: JD | March 23, 2012 at 01:27 AM

JDさん、コメントありがとうございます。

そうそう、「鳩サブロー」というのは、サイト開設前にオーディオ関連の掲示板などに書き込むときに付けた名前で、最近も他のブログなどに書き込む時に使っています。
本など出している関係もあって、ここでは本名を名乗っていますしメールアドレスも公開しています。ほかのところに書いても、まあ私が誰かは判る人には判るはずですけどね。
ちなみに、私がツイッターやmixiで使っている鳩サブレーのミニチュアのアイコンは、豊島屋の本店(鎌倉の若宮大路)だけで売っている根付で、その名も「鳩三郎」です。

さて本題。

>60~70年代のRock/Popsに興味があって、まだ4 seasonsを聴いていないとしたら、ものすごくもったいないと言う気がします。

本当にそうなんですよ。でも私自身ちゃんと聴いたのはここ数年なわけで。
ほかにも長年気になりつつ聴いていなかったアーティストがいくつかあって、ゾンビーズはやっと去年聴けて、盛り上がっているところで来日してくれて。
残るはホリーズです。グレアム・ナッシュ在籍時をまとめた6枚組、そのうちと思っているんですけどね。

Posted by: さいとう | March 23, 2012 at 10:57 PM

鳩サブローさま、先日は拙ブログへのコメントありがとうございました!
日本在住としてJERSEY BOYS(以下JB)最多鑑賞記録を目指しているElaine’sです(笑)…っていうか、既に記録は達成しているかも知れませんが…でもって、フォー・シーズンズについては、いまだ「にわかファン」の域を出ておりません(汗)そんな私としましては、こちらの記事は、本当に参考になることばかり。例えば、レコード会社との関係の推移などは、JBの中のちょっとしたセリフの中に、それを暗示させるものがあったりなど、あらためてストリーへの理解が深まったりして、感動です!
私は、もともとミュージカル/演劇の類が好きで、ブロードウェイにもちょくちょく足を運んでいました。同時に、60年代~70年代の洋楽や、その影響を受けた日本の音楽にもずっと興味がありました。
でも、今の日本では、このふたつに対して、同じくらいに興味を持っているという人は少数で…こういう現状が、日本でもJBへの関心が「今ひとつ」な原因になっているかな~と思っています。でも、実際はアメリカでも、JBは、それまではミュージカル劇場に足を運んだことのない人々(中年以上の男性)を、大勢、呼び寄せた作品としても知られていますが。
JBのように、アーティストの既成の曲を使用したミュージカル(ジュークボックス・ミュージカル)としては、アバの曲を使った『マンマ・ミーア!』が知られていますが、これは、一般人気は出ましたが、批評家受けは悪く、作品自体の評価も高くありません。JBは一般人気も、批評家の評価も、両方勝ち取った「最初で最後の」(と思う…笑)ジュークボックス・ミュージカルです。
これまで、ビーチ・ボーイズ、プレスリー、ジョン・レノンなどの曲を使ったミュージカルも作られましたが、見事に、「総コケ」でした(!)また、ビージーズ、ニール・セダカから、キャロル・キングやボブ・ディランまで、JBのような「伝記ミュージカル」を作りたいと考えているようですが、私は、内心「やめとけ!」と思ってますね(笑)だって…JB以上のものは、作れるはずがないです。
なぜ、そう思うのか…と申しますと、私から見ると、フォー・シーズンズの音楽というのは、非常に「舞台との相性がいい」のです。音楽的にクオリティーが高いのは当然としても、メロディーやリズムの「輪郭がはっきり」していて、曲に込められた情感のようなものが、非常にストレートに伝わってきます。これは、舞台音楽には、非常に大切な要素だと思います。彼らはイタリア系でありますし、おそらく、幼いころから、親類や友人が集まれば、イタリア・オペラの曲を口ずさみながら陽気に盛り上がるような環境にいたのではないでしょうか。そういうものが、ゴーディオやクルーの曲作りに反映されているような気がします。とにかく、ポピュラー音楽として優れているものがすべて、舞台で通用するわけではない、あくまでもフォー・シーズンズだったから…というのが、毎回JBを見ながら思うことです。
最後に…(ずいぶん長くなってスイマセン)私は、アメリカのJBファンの皆さんとも繋がるようになりましたが、驚くのは…アメリカの熱心なJBファンには、アジア系の人が非常に多いのです!私と似た容貌の人の比率が多いのにビックリなのです(笑)まず、フォー・シーズンズの音楽そのものが、メロディーが美しくて優しい感じがすること。これは、アジア系に受け入れられやすい要素だと思います。そして、JBの背景となっている古いイタリア系の社会、つまり義理人情や古いしがらみに縛られながら生きる彼らのストリーは、アジア系の人々から、より強く支持されやすい、というのもあるんではないでしょうか。
そんなわけで、私としては、JERSEY BOYSは日本人にも支持される要素を多く含んでいると思いますので、是非、来日公演を実現してほしいと思っています(笑)

こちらの今後の記事も楽しみにしています!長々と失礼しました(汗

Posted by: Elaines | April 08, 2012 at 09:24 AM

Elaine'sさん、実に示唆に富んだコメントをありがとうございます。
こういう反応があると、本当に嬉しくなります。
と言いつつ、Elaine'sさんのブログの関連記事もきちんと読めているわけではないので、冷や汗ものですが。

確かに、音楽ファンの中でも特定のジャンル/傾向のものにしか興味を示さない人はまだまだ多いという現状で(昔よりはこだわりのない人が増えた気はしますが)、洋楽ファンとミュージカル・ファンはなかなかリンクしないですよね。
『ジャージー・ボーイズ』がロングランを続けている背景には、普段劇場に足を運ばない人たちの存在が大きいのでしょうが、やはりおっしゃるように年齢層は高いのでしょうか?
人気の広がりという意味では、若いファンの獲得も重要な要素かな、という気もしますが。
また、開始当初と最近とでは客層も変わってきているのでしょうか。
"Jersey Babys"なんてCDも出るぐらいだから(聴いていませんが)、家族連れとかも多いのでしょうか。

それにしても、音楽と舞台との相性の良さ、というお話には目からウロコでした。これはやはり実際に観て見ないと判らないことですね。
アジア系の人にもファンが多いというのも知りませんでした。

あとは、歌詞の内容も重要ではありませんか?
ただ、米国のレコード業界に習慣がなかったとはいえ、ソロを含む全オリジナル・アルバム中、ジャケットに歌詞が掲載されているのは"GENUINE IMITATION LIFE GAZETTE"、"WHO LOVES YOU"、"HELICON"のたった3枚だけなんですよ。
で、私の場合、聞き取りはさっぱりですし、手元に歌詞も全然揃えていないので、分析はまだまだ先になりそうです。

Posted by: さいとう | April 08, 2012 at 11:31 PM

鳩サブロー様、お返事ありがとうございます。
JERSEY BOYSについて、ご質問の件も含めて、もう少し話させていただきますと…
まず、私が最初にブロードウェイで見た2007年春は、客のほとんどは中高年の白人でした。とにかく、観客の中で「非白人」は私だけだったと思います(汗)ブロードウェイで、こういう客層を見たのは初めてでした!今でも、観客の平均年齢は高いですが(60~70歳ぐらいでしょう)次第に、観光客や、若年層も増えてきています。先に「アジア系が多い」と述べましたのは、あくまでも「コアなファンの中では」ということで、実数としては、やはり白人系の観客が今でも大多数です。
若年層が増えた理由としては、彼らの音楽が、世代を超えてアピールするものであるのは勿論、プロダクション側が、アイドル的な魅力を持つ俳優を起用して、うまく若年層を取り込んだという「作戦」が成功したと思います。まぁ、男性4人が主人公の話でありますんでね~中高年のみをターゲットに…というのは勿体ない(笑)
しかし、家族向けかと言われれば、それはNoです。まずは、このミュージカルは、ニュージャージーのガラの悪い(!)地区が舞台なので、やたらと言葉が汚い。アメリカでは、映画でも、fのつく言葉が一回でも出てくると、たちまちR指定になることを考えると、このミュージカルは決して家族向けとは考えられていません。また、当時のミュージシャンたちの「大人のパーティー」のシーンなどもあります。でも、最近では、せっかく、JBは音楽も素晴らしいのに、汚い言葉や大人な場面だけの理由で、子どもに見せないのは勿体ない…ときどきは、それらの場面をカットして、子どもにも安心して見せられるバージョンでも上演してほしい…という声が上がることもありますが、これは実現の可能性は低いでしょう。
フォー・シーズンズの歌詞については、おっしゃる通り、確かに、独特の世界観が反映されていると思います。表現するのは難しいんですが…良い意味で「度が過ぎた」インパクトのある歌詞とでもいいましょうか…。劇中には、トミー・デヴィートが「Walk Like a Manって、どんな意味だよ?!意味不明だろうがw」と突っ込みを入れるシーンがありますが(笑)考えてみれば、オペラなどの歌詞もそういう感じではあります。オペラを「舞台音楽の典型」と考えれば、フォー・シーズンズの音楽にも、共通する要素はあると言えます。
それが、顕著に出ているのがFallen Angelでしょう。この曲は、曲単体としては、あまりにセンチメンタルすぎると考えられているそうですが、劇中では、フランキー・ヴァリの娘が薬物中毒で亡くなるシーンで歌われ、大きな効果を発揮します。フランキー役の役者は涙を浮かべ場がら歌い、客席からもすすり泣きが漏れるわけです。そして、物語は急展開し、彼らがロックンロールの殿堂入りをするシーンに変わります。客席は、まだ悲劇的なシーンを引きずっているのに、突然華々しいシーンになって、ちょっと戸惑ったりもするんですが、殿堂入りシーンで歌われるのがRag Dollなのです。この薄幸の少女への愛を歌った曲で、観客は、次第に癒されていくのです。
もう、心憎いとしか言いようがない構成…これでヒットしないわけがないでしょう(笑)
なんか、取り留めのないことを書いてますが、内省的で深みのある歌詞を持ち、その時代の人々に格別のメッセージを届ける音楽というのも、それはそれで素晴らしいですが、そういう音楽は舞台とは相性が良くない気がします。
劇中でも、ゴーディオが、「公民権運動や反戦運動が渦巻いていた時代は、僕たちの音楽にとっては厳しい時代だった…でも、僕たちは、あくまでも普通の労働者を楽しませるための音楽を作り続けたんだ」という内容の話をする場面がありますが、ここは重要だと思っています。なんか、アメリカのファンでも、この場面を見逃している人がいて「はぁ~?」と思ったことがありましたが(!?)
JBを通して、改めてフォー・シーズンズに注目した私からみると、彼らの音楽というのは、実は、21世紀になって、舞台化されて再評価されるのを待っていた音楽ではないかとさえ思えるのですよ、ま、あくまでも「私の見方」ですが(笑)
というわけで、またまた長々と失礼しました。今後の記事も楽しみにしております。

Posted by: Elaine | April 09, 2012 at 09:45 AM

Elaine'sさん、続けざまに濃い文章をありがとうございます。

「彼らの音楽というのは、実は、21世紀になって、舞台化されて再評価されるのを待っていた音楽ではないかとさえ思える」というご意見には、頷かされるものがあります。

ところで、『ジャージー・ボーイズ』がグループの歴史をどのあたりまで追っているのか、ちゃんと認識していなかったのですが、ヴァリの娘フランシーヌ(あれっ、Francineの英語読みはこれでいいのかな?)の悲劇的な最後(1980年8月16日にドラッグの過剰摂取で死んでいるのが発見された)、そして一足飛びに1990年の殿堂入りまでがフォローされているのですね。

一方で、舞台の特に後半で描かれるストーリーが、事実とかなり異なることも指摘されていて、例えば詩人で編集者のチャールズ・アレキサンダー氏はこう書いています。
「ヴァリに深刻な聴力障害があり、手術を何度も受けて症状が和らぐまで、長い年月の間ほどんど耳が聞こえないままだったことについて、何も暗示されていない。最も重要な歴史とのくい違いは、マッシとデヴィートがほぼ同時にグループを辞めたように描かれていることだ。ニックがトミーより何年も前に辞めたことは、ファンなら誰でも知っている。年代がごちゃごちゃになっているとファンなら憤りそうだが、これは歴史ではなく物語なのだと、彼らは悟ることになる」

そのことを踏まえつつ、彼らの正しい歴史を検証すべく努力している人たちもいます。The Four Seasons UK Appreciation Societyあたりがその最右翼だと思いますので(上の発言もそこからの引用)、彼らのサイトにある貴重な資料などを読み砕きつつ、ブログを書き進めて行きたいと思っているところなので、これからもフォローよろしくお願いしますね。

Posted by: さいとう | April 09, 2012 at 03:55 PM

鳩サブローさん.. でよろしいのでしょうか...初めまして。フランキー・ヴァリを検索中にこちらを見つけました。
私にとってフォー・シーズンズは、ただひたすらレコードやCDを聞き続け、30年ほどになります(が、完璧な後追い)。大まかなグループの流れなどは知っていますが、英語の壁は厚く、挫折することもしばしば。このように日本の方の連載はとてもうれしく思います。
アメリカでは2000年頃、フランキーの引退説が飛び交い、もう話題にも上がらないと思って、しばらくスルーしていた矢先、JBの大ヒット。引退どころか、いまだにステージを続けているではありませんか。
「あのころの疑似体験がしたい!」ついに海外とは縁のなかった私がJBを見るためにNYへ。ストーリーはBWの台本?を入手して内容をしっかり押さえて臨みました。が、感情移入する暇もなく、目まぐるしく場面転換、テンポが速すぎてちょっとわかりづらいく、台本がよくできている分、残念な気がしました。リピーターが多いのか、わりと静かで冷静で?やや拍子ぬけが...。さすがにフランシーヌが死んだときはジャレッドの歌声が心にしみ、涙が流れました。とにかく楽曲の良さ、これに限ります。懐かしい歌でみんなで盛り上がる、なんていうレベルのものではありません。ある方がおっしゃっていましたが、悲しい歌を悲しく歌うのではなく、アップテンポに乗せることで独特のロマンチシズムが生まれると。
ご指摘の通り、ストーリーの90%は事実とは言え、時系列がかなり乱れていると私も感じていました。どのエピソードを盛り込むか悩むところでしょうが、フランキーの耳の病気がまったくなかったことは、はっきり言って不満です。耳が悪かった時期の背景には、いろいろ事情があるでしょうが、この辺は、映画化に期待したいと思っています。
JBのことばかり書いてしまいました、長くてすみません。
とにかく好きなので(笑)。ちなみに一番好きな時期は、低迷していたといわれる、60年代後半から70年代前半のモータウンのころです。
これからも楽しく読まさせていただきます。

Posted by: むなチャン | April 20, 2012 at 07:14 PM

むなチャンさん、コメントありがとうございます。

私は実際にJersey Boysを観ていないので、耳の病気スルーの件などを海外の文章から引用していても、いまいち確証が持てなかったりする部分もあるのですが、こうして実際にご覧になった方からコメント頂けると、安心できます。

またお気軽にコメントお寄せください。ありがとうございました。

Posted by: さいとう(鳩サブロー) | April 20, 2012 at 11:46 PM

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